Polygon Amoyエクスプローラーは、Polygon PoSのテストネットであるAmoy(チェーンID 80002)のトランザクション、アドレス、コントラクトを調べるためのツールです。第一の選択肢はamoy.polygonscan.comのAmoy PolygonScanで、次点がOKLinkです。手早く確認したいときは、当サイトのライブエクスプローラーのAmoyタブが使えます。テスト用のPOLはPolygonのフォーセットから無料で入手できます。
私たちはこのサイトのツールを検証する際に、日常的にAmoyへデプロイしています。そこでぶつかる問題の多くは、実はSolidityとは関係ありません。チェーンIDの間違い、停止したRPCエンドポイント、空っぽのフォーセット、そして違うネットワークで開いたエクスプローラーです。このガイドは、そうした現場でよくあるつまずきを軸に構成しています。
Amoyテストネットとは?
AmoyはPolygon PoSの公開テストネットです。メインネットと同じソフトウェア構成(実行層のBor、コンセンサスとチェックポイントを担うHeimdall)で動いていますが、チェックポイントの提出先はイーサリアムメインネットではなく、イーサリアムのテストネットSepoliaです。ガス代は無料で手に入るテスト用POLで支払い、市場価値はありません。
Polygonは2023年末、Goerliに依存していた旧テストネットMumbaiの後継としてAmoyを公開しました。Goerliの停止に伴い、Mumbaiは2024年4月に廃止されています。設定にまだMumbaiが残っている方は、Mumbaiエクスプローラーのその後のページに移行チェックリストがあります。
Amoyはメインネットのアップグレードに追従しているため、PoSの新機能はたいていAmoyに先に導入されます。ガスの挙動、アカウント抽象化、コントラクトのデプロイに関わるものは、チェーン137に出す前にAmoyでテストするのが正解です。
Polygon Amoyのブロックエクスプローラーを比較
2026年9月、同じテスト用デプロイ(シンプルなERC-20コントラクト、その検証、数回の送金)で、Amoyを調べる3つの方法を試しました。
| エクスプローラー | コントラクト検証 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| Amoy PolygonScan | 可 | 開発作業全般 |
| OKLink Amoy | 限定的 | 別視点での確認 |
| 当サイトのAmoyタブ | 不可 | 素早い確認・共有 |
**Amoy PolygonScan**は、Polygonテストネットの標準的なブロックエクスプローラーです。メインネットのPolygonScanと同じ画面構成で、トランザクション、内部トランザクション、トークン移動、イベントログ、コントラクトのソースコード、そしてブラウザから関数を呼び出せる「Read Contract」「Write Contract」タブを備えています。作業時間の大半はここで過ごすことになるでしょう。PolygonScanの詳細レビューの内容は、ほぼそのまま当てはまります。
OKLinkも、Polygonエクスプローラー内の専用セクションでAmoyをインデックスしています。PolygonScanが重いときや、トランザクションがネットワークに行き渡ったかを確かめたいときに便利です。
当サイトのライブエクスプローラーのAmoyタブは、公開Amoy RPCノードから直接データを読み取ります。ステータス、送信元、送信先、金額、手数料、ガス、ブロックを表示しますが、トークン移動のデコードには対応していません。本当の強みは共有リンクです。テストトランザクションを貼り付けて共有ボタンを押せば、同じ結果が開くリンクをチームメンバーやQA担当に送れます。
AmoyエクスプローラーのURLとネットワーク設定
ウォレット、Hardhat、FoundryにはRPCとエクスプローラーのURLが必要です。Amoy用のワンクリック「MetaMaskに追加」ボタンを含む動作確認済みの一覧はPolygonネットワーク設定のページにまとめているので、ここでは要点だけを載せます。
| 設定項目 | 値 |
|---|---|
| ネットワーク名 | Polygon Amoy |
| チェーンID | 80002 |
| 通貨シンボル | POL |
| ブロックエクスプローラーURL | https://amoy.polygonscan.com/ |
| 公開RPC(確認済み) | polygon-amoy-bor-rpc.publicnode.com |
| 代替RPC | polygon-amoy.drpc.org |
RPCのホスト名には必ず先頭にhttps://を付けてください。本番レベルのテストには、自分のキーを使うプロバイダーのエンドポイントが必要になります。選択肢の比較はエクスプローラーAPIとRPCのガイドをご覧ください。
Amoyのフォーセット:テスト用POLの入手方法
Amoyでガス代を払うにはテスト用POLが必要です。入手方法は2つあります。
公式のPolygonフォーセット(faucet.polygon.technology)は、Amoy POLを少額ずつ配布しています。ボット対策のチェックがあり、1つのアドレスやアカウントが受け取れる頻度にも制限があります。私たちの経験では、小さなコントラクトを数十回デプロイするには十分ですが、負荷テストには足りません。
サードパーティのフォーセットとして、AlchemyやQuickNodeなどのインフラ事業者もAmoy POLを配布しています。最近は無料アカウントでのログインや、ボットファームでないことを示すためにメインネットで少額の残高を持っていることを求めるものが増えています。フォーセットの条件は頻繁に変わるので、1つが空なら待つよりも別のものを試しましょう。
テスト用POLは本物のPOLではなく、売却もメインネットへのブリッジもできません。本番公開の準備が整い、メインネットのガス代用に本物のPOLが必要になったら、複数の法域でライセンスを持ちPolygon PoSへの直接出金に対応した規制下の取引所で購入し、デプロイ用ウォレットへ送りましょう。日本の利用者の方は、金融庁の登録を受けた暗号資産交換業者かどうかも確認しておくと安心です。メインネットでのデプロイに今どれくらいかかるかはポリゴン ガス代トラッカーで確認できます。
Amoyでのコントラクトのデプロイと検証
私たちが実際に使っているワークフローです。Hardhat、Foundry、Remixのいずれでも使えます。
- ネットワークを設定する。 チェーンID 80002と動作するRPC URLでAmoyを設定に追加します。Foundryなら
[rpc_endpoints]のエントリ、HardhatならchainId: 80002を含むネットワークブロックです。 - デプロイ用ウォレットに資金を入れる。 ツールが使う秘密鍵のウォレットに、フォーセットからテスト用POLを受け取ります。秘密鍵は環境変数に入れ、リポジトリには絶対に含めないでください。
- デプロイする。 デプロイスクリプトを実行し、出力からコントラクトアドレスとデプロイのトランザクションハッシュをコピーします。
- エクスプローラーで確認する。 Amoy PolygonScanか当サイトのAmoyタブでハッシュを開きます。ステータスが成功で、送信先欄に「Contract Creation」またはコントラクトアドレスが表示されていれば問題ありません。
- ソースコードを検証する。 チェーンID 80002でEtherscan API V2のキーを使います。Foundryなら
forge verify-contract <address> <Contract> --chain 80002、Hardhatならamoyネットワークを指定したverifyプラグインです。フラット化したソースをPolygonScanの検証フォームに貼り付ける方法もあります。 - 操作してみる。 検証が済めば、PolygonScanの「Read Contract」「Write Contract」タブから、接続したウォレットでブラウザ上から関数をテストできます。
検証が失敗する最も多い原因は、コンパイラのバージョンやオプティマイザ設定の不一致です。提出する設定が、オプティマイザの実行回数やコンストラクタ引数も含めて、コンパイル時とまったく同じになっているか確認してください。V2キーで使える対応チェーンとパラメータは、EtherscanのAPIドキュメントに掲載されています。
Amoyエクスプローラーでコントラクトをデバッグする
ブロックエクスプローラーは、テストネットで使えるデバッグツールの中でも特に過小評価されている存在です。トランザクションがAmoy PolygonScanに載れば、「成功」「失敗」以上のことがたくさん分かります。
イベントログ。 「Logs」タブには、コントラクトが発行したすべてのイベントが表示され、コントラクトが検証済みならデコードもされます。フロントエンドの表示が更新されないときは、イベントが実際に発火したか、どの引数だったかを確認しましょう。十中八九、バグはコントラクトではなくリスナー側にあります。
内部トランザクション。 あるコントラクトが別のコントラクトを呼び出したり、関数の一部としてPOLを送ったりすると、それらの呼び出しは内部トランザクションとして表示されます。払い出し、返金、ファクトリーによるデプロイが本当に行われたかを確認する手段です。
リバートの理由。 失敗したトランザクションについて、PolygonScanはカスタムエラーやrequireの文字列などのリバートメッセージを表示してくれることがよくあります。表示されない場合は、デバッガーでトランザクションを再実行してみてください。TenderlyはPolygonネットワークに対応しており、1行ずつのトレースを提供します。詳しくはその他のPolygonエクスプローラーと開発ツールのページで取り上げています。
ガス使用量と上限。 重要な関数では毎回この2つを比べましょう。Amoyで上限のほぼ100%を使っている関数は要注意です。メインネットの状態や入力によっては上限を超えてしまう可能性があります。
トークントラッカー。 テスト用のERC-20やNFTをデプロイすると、PolygonScanが保有者と移動履歴を載せたトークンページを作成します。ミントや送金のロジックが期待どおりの残高を生み出しているか、手早く確かめるのに便利です。
プルリクエストやバグ報告では、ハッシュをそのまま貼るのではなく、エクスプローラーのリンクを共有することもおすすめします。Amoyの該当トランザクションへのリンクがあれば、レビュアーはインプット、ログ、リバートの理由をワンクリックで確認できます。
Amoyでよくあるエラーと対処法
私たちや読者の皆さんがPolygon Amoyテストネットでよく遭遇するエラーを、おおむね頻度の高い順に並べました。
「Insufficient funds for gas * price + value」 ウォレットにテスト用POLがないか、ツールが設定したガスリミットに対して足りていません。フォーセットを利用するか、ツールが大幅に過大な見積もりをしている場合はガスリミットを下げてください。
「Transaction underpriced」 Polygonのノードは最低優先手数料を設けていますが、ツールによっては初期値のチップが低すぎることがあります。ツールにネットワークから手数料を見積もらせるか、優先手数料を手動で引き上げてください。
「Chain ID mismatch」などのネットワーク違いのエラー。 設定のどこかに80001(Mumbai)や137(メインネット)が残っています。設定ファイル、.envファイル、ウォレットのネットワーク一覧から古い値を探してください。
RPCエラー、タイムアウト、認証エラー。 公開エンドポイントは入れ替わりが激しいものです。古いチュートリアルはMumbaiや、現在認証エラーを返すpolygon-rpc.comを指しています。上記の確認済みエンドポイントか、自分のプロバイダーキーに切り替えてください。
「Nonce too low」やトランザクションの詰まり。 トランザクションが保留中の状態でスクリプトを再起動したり、同じキーを2つのツールから同時に使ったりすると起こりがちです。保留中のトランザクションが承認されるのを待つか、ウォレットの詳細設定でアカウントのノンスをリセットしてください。ノンスの仕組みは保留中トランザクションのガイドで説明しています。
エクスプローラーにトランザクションが出てこない。 メインネットのサイトではなくamoy.polygonscan.comを開いているか、そしてトランザクションが実際にブロードキャストされたかを確認してください。送信前にスクリプトが落ちていれば、見つかるものは何もありません。
Amoyとメインネットの違い
Amoyは技術的にはほぼすべての点でメインネットと同じように動きます。それこそがテストネットの存在意義です。覚えておきたい違いは次のとおりです。テスト用POLは無料で無価値であること、フォーセットの制限が大規模なテストの制約になること、アクティビティがはるかに少ないためガス価格やブロックの混雑具合がメインネットの状況を反映しないこと、そしてメインネットにあるトークンやプロトコルの一部はAmoyに存在しないため、自分でモックをデプロイする必要があることです。また、Amoyのデータはメインネットほど長期的に安定しているとは限らないので、テストネットを何かの恒久的な保存場所として扱わないでください。
テストが終わったら、チェーンIDを137に切り替え、メインネットのPolygonScanで改めて検証し、最初の本番トランザクションをPolygon PoSエクスプローラーのガイドや当サイトのライブツールで確認しましょう。本番公開後にどのメインネットエクスプローラーを使うかはおすすめPolygonエクスプローラーのランキングで比較しています。Amoyに先行して届くプロトコル変更を追うために、Polygonチームの開発者向けドキュメントもブックマークしておくと便利です。