上のポリゴン ガス代トラッカーは、Polygon PoSのガス価格を3段階の速度別にgweiでリアルタイム表示し、あわせて現在のベースフィーと、POL送金・トークン送金・DEXスワップ・NFTミントに今いくらかかるかをPOLと米ドルで示します。Polygonの手数料は普段1セントにも満たない水準ですが、変動はします。このページではその理由も解説します。
ポリゴン ガス代トラッカーの見方
上部の3枚のカードは低速、標準、高速です。それぞれgwei建てのガス価格と、その価格でPOLを単純送金(21,000ガス)した場合のコストを表示しています。カード隅の小さなラベルはおおよその取り込み時間です。高速は次のブロック(約2秒後)、標準は数秒以内を狙い、低速はネットワークが混雑していると30秒以上かかることがあります。
推定コストの一覧は、標準価格に代表的なガス量を掛けたものです。POL送金は21,000ガス、USDTなどのERC-20トークン送金は約65,000、NFTミントは約120,000、DEXスワップはおよそ180,000ガスで計算しています。実際のコントラクトによって差があるので、あくまで目安と考えてください。複数のプールを経由する複雑なスワップでは、はるかに多くのガスを使うこともあります。
右側には最新ブロックのベースフィー、ブロック番号、そしてそのブロックがどれだけ埋まっていたかを示すネットワーク負荷バーがあります。データはBlockscoutのガスオラクルとPolygonの公開RPCノードから取得しており、タブを表示している間は10秒ごとに更新されます。
Polygonのガス代の仕組み:ベースフィー・チップ・バーン
Polygon PoSはイーサリアムと同じEVMで動作し、手数料モデルも同じEIP-1559を採用しています。各トランザクションの手数料は次の式で決まります。
ガス使用量 ×(ベースフィー + 優先チップ)
- ガス使用量は、トランザクションに必要だった計算量です。POLの単純送金は常に21,000です。コントラクトの呼び出しは、その処理内容に応じて高くなります。
- ベースフィーは利用者ではなくプロトコルが決めます。ブロックごとに調整され、直前のブロックが半分以上埋まっていれば上がり、半分未満なら下がります。ベースフィーはバーンされるため誰の報酬にもならず、POLを流通から取り除きます。
- 優先チップ(プライオリティフィー、マイナーチップとも呼ばれます)はブロック生成者に渡ります。「先に入れてほしい」という意思表示です。Polygonのノードは最低チップ額を設けているため、ドル建ての手数料はイーサリアムよりはるかに安いのに、gwei建てのガス価格はずっと大きく見えます。
ウォレットでは最大手数料も設定します。これはガス1単位あたりに払ってもよい上限額です。実際に請求されるのはベースフィーとチップの合計だけで、差額が徴収されることはありません。より詳しい仕組みはイーサリアム財団によるガスと手数料の解説にあります。ETHをPOLに読み替えれば、内容はすべてPolygon PoSにも当てはまります。
gweiとは? Polygonの数字が大きく見える理由
gweiは単位の一つで、ドルに対するセントのようなものです。1 POLは10億gweiです。トラッカーが「ガス代300 gwei」と表示していれば、ガス1単位あたり0.0000003 POLという意味になります。
これに送金の21,000ガスを掛けると0.0063 POLです。POLが11セント前後なら、1セントを大きく下回ります。つまりPolygonでgweiの数字が大きくても、それだけで心配する必要はありません。イーサリアムは1 gweiと表示されていても、ETHの価格がPOLの数万倍あるため、ドル建てではむしろ高くつくことがあります。gweiだけでなく、必ずPOLやドル建ての金額を見るようにしましょう。
2026年の一般的なガス価格で、Polygon PoS上のPOLやステーブルコインの単純送金にかかる費用の目安です。
2026年のPolygonトランザクション費用の目安
2026年9月25日の計測では、平均ガス価格は約265 gwei、POLは約0.11ドルでした。この水準での主な操作のコストは次のとおりです。今日の数字は上のライブ推定をご利用ください。
| 操作 | ガス量の目安 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| POLを送る | 21,000 | 約0.006 POL(0.001ドル未満) |
| USDT・USDCを送る | 約65,000 | 約0.017 POL(約0.002ドル) |
| NFTをミント | 約120,000 | 約0.03 POL(1セント未満) |
| DEXでスワップ | 約180,000 | 約0.05 POL(約0.5セント) |
| コントラクトをデプロイ | 100万以上 | 0.3 POL以上(数セント) |
混雑時でも、Polygonの日常的なトランザクションの大半は1セント以下に収まります。大きく変わるのは素早く取り込まれるために必要なgweiの方で、これが問題になるのは主にボットやトレーダーであり、支払いを送る一般の利用者ではありません。
ポリゴンのガス代が急騰する理由
手数料はブロックスペースをめぐるオークションです。同じ瞬間に多くの人が取引しようとすると、ベースフィーはブロックごとに上がり、急ぐ人はチップを上乗せします。私たちのモニタリングでは、Polygonで急騰が起きる原因はおおむね次のとおりです。
- トークンのローンチやNFTのミントで、何千ものウォレットが一番乗りを狙うとき
- エアドロップの請求やインスクリプションの波で、小さなトランザクションがチェーンにあふれるとき
- DeFi市場の急な価格変動に反応するアービトラージや清算のボット
- 偽トークンの大量エアドロップなどのスパムキャンペーン
ネットワークの余裕は以前よりずっと大きくなっています。2025年7月のBhilaiハードフォークでガスリミットが引き上げられ、スループット目標は1,000 TPS超に、2025年10月のRioアップグレードでは約5,000 TPSを目指す方向へ進みました。私たちはガスリミット1億6,000万のブロックも確認しており、急騰は過去の混雑時より短く穏やかになっています。それでも急騰にぶつかったら、高速を選ぶより10分待つ方がたいてい安上がりです。これらのアップグレードの詳細はPolygon PoSエクスプローラーのページで解説しています。
MetaMaskなどのウォレットでガスを設定する方法
多くの方は、ウォレットの初期設定のままで問題ありません。MetaMask、Rabby、Trust Walletなどは直近のブロックからガスを見積もり、妥当な最大手数料とチップを選んでくれます。手動で調整したほうがよい場面は次のとおりです。
- 手数料が急騰していて急ぎのとき: 「積極的」を選ぶか、優先手数料をこのページの高速カードと比べてみてください。
- 急ぎでないとき: 「低」でもPolygonならたいてい1分以内に承認されます。
- トランザクションが詰まったとき: ウォレットの「高速化」を使うと、同じノンスで手数料を上げて再送信します。ノンスの仕組みとキャンセル方法は保留中トランザクションとメモリプールのガイドで説明しています。
- 節約のためにガスリミットを下げるのは絶対にやめましょう。 支払うのは実際に使ったガス分だけです。リミットが低すぎるとトランザクションが失敗し、それまでの処理分の手数料はしっかり取られます。
ウォレットのネットワーク設定が間違っていたり、停止したRPCエンドポイントを使っていたりすると、ガスの見積もりが奇妙なエラーで失敗することがあります。チェーンIDと動作するRPC URLはPolygonネットワーク設定のページにまとめています。
ステーブルコインを送るときもガス代にはPOLが必要
私たちが最もよく受ける質問です。Polygon上に500 USDTを持っていて送ろうとしたら、ウォレットに「残高不足」と表示された。原因は、Polygon PoSのガス代が2024年9月にMATICから置き換わったネイティブトークンPOLでしか支払えないことにあります。ステーブルコインだけではガス代を払えません。
使っているPolygonウォレットには、必ず少量のPOLを残しておきましょう。現在の価格なら、1 POLに満たない量で数十回の通常取引が可能です。補充が必要なときは、複数の法域でライセンスを持つ規制下の取引所から、自分のPolygonアドレスへPOLを直接送ることができます。出金ネットワークはイーサリアムではなくPolygon PoSを選んでください。間違えると別のチェーンに届いてしまいます。日本で暗号資産を購入する場合は、金融庁に登録された暗号資産交換業者かどうかも確認しておくと安心です。
トランザクションを送ったら、ハッシュをライブのPolygonエクスプローラーに貼り付けてみてください(トランザクション確認の手順ガイドに沿って進めても構いません)。実際に支払った金額が正確に分かります。レシートにはPOLとドル建ての手数料、gwei建てのガス価格、そしてガスリミットのうち実際に使われた量が表示されます。
Polygonのガスレス取引とスポンサー取引
「ガスレス」は無料という意味ではなく、自分以外の誰かがPOLを払うという意味です。Polygonでは手数料が十分に安く、アプリ側が負担できるため、この仕組みがますます一般的になっています。
| 方式 | 支払う人 | よく見かける場面 |
|---|---|---|
| リレイヤー/メタTx | dAppのリレイヤー | ゲーム、NFT請求 |
| ERC-4337ペイマスター | アプリ・スポンサー | スマートアカウント型ウォレット |
| EIP-7702型アカウント | アプリ・ウォレット | Bhilai以降の新しいウォレット |
| カストディ型決済 | 決済事業者 | 決済・払い出しアプリ |
スポンサー取引をエクスプローラーで調べると、**送信元(From)**のアドレスは本人ではなく、リレイヤーやバンドラーであることがよくあります。本人のウォレットはインプットデータやトークン移動の行に登場します。支払いが通ったか確認するときに混乱しやすいので、送信元欄ではなくトークン移動を見るようにしてください。スポンサー型のフローを自分で作りたい方は、Polygonチームの開発者向けドキュメントに最新のアカウント抽象化ツールがまとめられています。
開発者向けのガス価格データ
自分のアプリにガスデータを取り込みたい場合、このトラッカーが使っているデータ源はすべて公開されています。Blockscoutの/api/v2/statsエンドポイントは低速・平均・高速のガス価格を返し、どのPolygon RPCノードもeth_gasPrice、eth_maxPriorityFeePerGas、eth_feeHistoryに応答します。PolygonScanもAPIキーを使えばEtherscan API V2経由でガスオラクルを提供しています。動作確認済みのエンドポイントと呼び出し例はエクスプローラーAPIとRPCのガイドにあります。PolygonScan自体のガストラッカーが他のエクスプローラーのツールと比べてどうかは、おすすめPolygonエクスプローラーのランキングをご覧ください。