Polygon PoSエクスプローラーとは、Polygonのメインチェーン(チェーンID 137)を調べるための検索エンジンです。トランザクションハッシュ、アドレス、ブロック番号を貼り付けると、オンチェーンで何が起きたかが分かります。PolygonScan、Blockscout、OKLinkのいずれも対応しており、当サイトのライブPolygonエクスプローラーでもPoSのトランザクションを数秒で確認できます。2024年9月以降は、どのエクスプローラーもネイティブトークンをMATICではなくPOLと表示しています。
上に表示しているライブの数値は、BlockscoutのPolygonインスタンスから取得したものです。POL価格、平均ガス代、ブロック生成時間、前日のトランザクション数、これまでに確認されたアドレスの総数が並んでいます。このページを更新した日、アドレス総数は10億に迫っており、チェーンは1日あたり500万〜600万件のトランザクションを処理していました。
Polygon PoSチェーンの構造
Polygon PoSは、EVM互換のプルーフ・オブ・ステーク型チェーンで、定期的に自らの状態をイーサリアムに記録(アンカー)しています。内部は2つの層に分かれており、今どちらの層を見ているのかを理解すると、「なぜ見つからないの?」という疑問の大半が解消します。
Bor:ブロック生成層
Borは実行層です。約2秒ごとにブロックを生成してEVMを動かし、PolygonScanなどのエクスプローラーで目にするトランザクション、残高、コントラクトのすべてを保持しています。
Heimdall:コンセンサス層
Heimdallはバリデーターの集合とステーキングを管理し、Borブロックの範囲をまとめた証明「チェックポイント」をイーサリアムに書き込みます。独自のAPIとエクスプローラーがあります。
Polygon PoSのエクスプローラーでトランザクションハッシュを検索するとき、読んでいるのはBorのデータです。バリデーター、ステーキング、チェックポイントはHeimdall側にあり、一般的なブロックエクスプローラーではその一部しか表示されません。当サイトのHeimdallチェックポイントエクスプローラーはこの層を直接読み取り、最新のチェックポイント、それがカバーするBorブロックの範囲、現在のバリデーター一覧を表示します。
なお、ステーキング自体はイーサリアム上で行われます。バリデーターやデリゲーターはイーサリアムメインネットのコントラクトを通じてPOLをステークし、Heimdallがそのコントラクトを監視しています。そのため、ステーキングのトランザクションはPolygonのエクスプローラーではなくEtherscanに表示されます。初めてデリゲートする方が驚きやすいポイントです。
Polygon PoSネットワークの仕様一覧
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ネットワーク名 | Polygon PoS(旧Polygon Mainnet/Matic) |
| チェーンID | 137(0x89) |
| ネイティブ/ガス代トークン | POL |
| PoS上のPOLトークンアドレス | 0x…1010のシステムコントラクト |
| ブロック生成時間 | 約2秒 |
| ファイナリティ | 確定的、約5秒 |
| 決済のアンカー先 | イーサリアムへのチェックポイント |
| コンセンサス | Heimdall v2(CometBFT、Cosmos SDK) |
| 標準エクスプローラー | polygonscan.com |
RPCエンドポイントやMetaMaskに入力する正確な値は、Polygonネットワーク設定のページをご利用ください。ワンクリックの「ネットワーク追加」ボタンと、今月私たちが動作確認したエンドポイントを掲載しています。
MATICからPOLへ:エクスプローラーの表記が変わった理由
2024年秋より前からPolygonを使っていた方なら、MATICを覚えているはずです。どのエクスプローラーも残高をMATICで表示し、手数料もMATICで支払い、「Maticエクスプローラー」という検索もよく使われていました。では、何が起きたのでしょうか。
2024年9月4日、PolygonはMATICからPOLへの移行を開始しました。Polygon PoSでは、ネイティブトークン(システムアドレス0x0000000000000000000000000000000000001010で管理されるもの)がPOLに切り替えられました。残高は1対1で引き継がれ、PoSチェーン上でトークンを持っていた利用者は何もする必要がありませんでした。POLはガス代トークン兼ステーキングトークンとなり、エクスプローラーも表記を更新しました。
今「Polygon MATIC エクスプローラー」と検索すると、どこを見てもPOLと表示されたエクスプローラーにたどり着くのはそのためです。何かが壊れたわけではありません。古いウォレットのPolygonScan上の「POL残高」は、かつてのMATIC残高とまったく同じものです。
過去のMATICトランザクションを探すには
2024年以前のトランザクションもすべてチェーン上に残っており、検索できます。私たちの検証から得たコツを紹介します。
- いつもどおりハッシュで検索する。 2021年の送金も、新しいものと同じようにPolygonScan、Blockscout、OKLinkで開けます。金額と手数料はPOLのシンボルで表示されますが、数値は当時のままです。
- ドル換算額は再計算されている。 今日のPOL価格で換算するエクスプローラーもあれば、当時の価格を使うものもあります。確定申告の記録や紛争対応に使う場合は、日付を控えて当時のレートを別途調べてください(税務上の判断は専門家にご相談ください)。
- 古いチュートリアルは古い名前のまま。 「ガス代にはMATIC」と書いてあるガイドや、
polygon-rpc.comエンドポイントを使うガイドは情報が古くなっています。このRPCは現在、認証エラーを返します。 - Wrapped MATICはWPOLになった。
0x0d500B1d8E8eF31E21C99d1Db9A6444d3ADf1270にあるラップ版ネイティブトークンは、ほとんどのエクスプローラーでWPOLと表示されています。
Polygon PoSのアップグレード:Heimdall v2、Bhilai、Rio
PoSチェーンは、2025年半ばから年末にかけて、それまでの3年間よりも大きく変化しました。これらのアップグレードは、Polygon PoSエクスプローラーで見える内容にも影響しています。承認の高速化、ブロックの大型化、そして新しいトランザクションの種類です。
MATIC→POLの移行開始。POLがPoSのガス代・ステーキングトークンに。
Bhilaiハードフォーク。ガスリミット引き上げ、1,000 TPS超を目標に、EIP-7702型のアカウント機能も導入。
CometBFTとCosmos SDK v0.50によるHeimdall v2が稼働。ファイナリティが約5秒に短縮。
Rioアップグレード。バリデーター選出型ブロック生成者(VEBloP)とウィットネスによるステートレス検証を導入し、約5,000 TPSとリオーグのないブロックを目指す。
利用者にとって最も重要なのはHeimdall v2です。2025年7月以前はファイナリティに1〜1.5分かかり、取引所は入金を反映するまで数百ブロック待つことも珍しくありませんでした。今ではトランザクションは数秒で確定します。
Bhilaiは処理能力を引き上げ、アカウント抽象化の機能をもたらしました。そのため、あるアドレスが別のアドレスに代わって送信したトランザクションを目にする機会が増えています。Rioはブロック生成の方式を変えました。選出された生成者がブロックを作り、他のノードは全状態を保持しなくてもウィットネスを使ってそれを検証できます。実用面での効果として、エクスプローラーがトランザクションを一瞬表示してから「見失う」原因だったリオーグ(チェーン再編成)は、事実上なくなりました。ブロックも非常に大きくなっており、2026年9月25日にはガスリミット1億6,000万のブロックを確認しています。公式の詳細はPolygon PoSのドキュメントをご覧ください。

Polygon PoSに対応するエクスプローラー
主要なエクスプローラーはどれもPolygon PoSメインネットに対応していますが、得意分野はそれぞれ異なります。2026年9月、同じUSDC送金を各エクスプローラーで検証しました。
| エクスプローラー | 強み | API |
|---|---|---|
| PolygonScan | 最も網羅的、コントラクト機能 | Etherscan V2、キー必須 |
| Blockscout | オープンソース、デコード表示 | 無料、軽い利用はキー不要 |
| OKLink | マルチチェーンのラベル | キー必須 |
| 3xpl | 高速、シンプル | あり |
| 当サイトのツール | レシート、QR、共有 | Blockscout+RPCを利用 |
Polygon PoSには、唯一の「公式」エクスプローラーはありません。Polygonのドキュメントは複数のエコシステムエクスプローラーを挙げており、MetaMaskが採用しているPolygonScanが事実上の標準になっています。私たちの評価点とその理由はおすすめPolygonエクスプローラーのランキングで、PoS向け機能の詳細はPolygonScanとBlockscoutのレビューで解説しています。
PoS特有のデータを読む:チェックポイント、ステートシンク、システムコントラクト
Polygonのエクスプローラーに表示される内容の大半はイーサリアムと同じです。ただし、PoSチェーン特有の要素がいくつかあり、初めて目にすると戸惑いがちです。
チェックポイント
Heimdallのバリデーターは定期的にBorブロックの範囲について合意し、チェックポイントとしてイーサリアムに提出します。Polygonからイーサリアムへの出金を可能にしているのがこのチェックポイントです。Polygon上のバーン(焼却)トランザクションがチェックポイントに含まれてはじめて、イーサリアム側で引き出せるようになります。入金が7〜8分程度で済むのに対し、出金に30〜60分以上かかるのはこのためです。両方向の追跡方法はブリッジエクスプローラーのガイドで説明しています。
ステートシンク
ステートシンクは、イーサリアムからのメッセージをPolygonに届ける仕組みで、最も分かりやすい例がブリッジ入金です。PoSブリッジで入金すると、イーサリアム上のイベントをHeimdallが拾ってBorに届け、Bor上であなたのアドレスにトークンが発行されます。Polygon側では、この入金はどこからともなく届いたように見えます。通常の送信者がガス代を払っていないためですが、これは正常な挙動です。エクスプローラーによっては、ステートシンクのトランザクションを通常の一覧とは別に表示しています。
システムコントラクト
小さくきりのよいアドレスには、プロトコルそのものの一部であるコントラクトがいくつか置かれています。最もよく目にするのは、ネイティブPOLトークンのコントラクトである0x0000000000000000000000000000000000001010です。POLが動くたびにトークン移動のログに登場し、エクスプローラーによっては通常の金額欄とは別に、このコントラクトからのPOL「transfer」イベントを表示します。近くのアドレスにある他のシステムコントラクトは、バリデーター集合の管理やステートシンクの受信を担っています。利用者が直接操作する必要はありません。
Polygon PoSでガス代用のPOLや支払い用のUSDCが必要になったら、複数の法域でライセンスを持ち、Polygonへの直接出金に対応した規制下の取引所で購入するのが安心です。確定時にはイーサリアムではなくPolygon PoSのネットワークを選んでください。なお、日本国内で暗号資産交換業を営むには金融庁への登録が必要です。
Polygon PoSエクスプローラーについてよく寄せられる質問
「トークンがPolygonではなくイーサリアムに届いてしまった」 アドレスはどちらのチェーンでも同じなので、ネットワークを間違えて出金すると、イーサリアム上の同じアドレスに届きます。Etherscanでハッシュを検索してください。どのチェーンのトランザクションか見分ける方法は、トランザクション確認ガイドで紹介しています。
「身に覚えのないトランザクションが表示される」 たいていはスパムトークンのエアドロップか、似たアドレスをコピーさせるための金額ゼロの「アドレスポイズニング」送金です。無視して構いません。履歴からアドレスをコピーするときは、必ず全文字を確認してください。
「ウォレットの『Matic Mainnet』はこのままで大丈夫?」 チェーンIDが137でRPCが動作していれば問題ありません。名前は見た目だけの違いです。残高が正しく表示されるよう、名前をPolygon PoSに、通貨シンボルをPOLに変更しておくことをおすすめします。