現在のPolygon zkEVMエクスプローラーは、ライブのダッシュボードではなくアーカイブです。zkEVMメインネットベータ(チェーンID 1101)は2026年7月上旬にシーケンサーが停止してブロック生成を終えましたが、過去のトランザクションはすべて、zkEVM PolygonScanで読み取り専用の形で調べられます。このページでは、どこで検索すればよいか、残った資金をどう扱うか、そしてzkEVMのテストネットとMidenがどうなったかを解説します。
要点まとめ
過去のzkEVMトランザクションはzkevm.polygonscan.comで確認します(読み取り専用のアーカイブで、今後変わる可能性があります)。ウォレットに取り残された資金は、polygon.technologyの公式請求手続きに従ってください。新しいプロジェクトはPolygon PoSで構築し、テストはAmoyで行いましょう。Cardonaテストネットはすでになく、Midenは独立したプロジェクトになっています。
Polygon zkEVMの歩み
Polygon zkEVMは、Polygonのゼロ知識(ZK)ロールアップでした。トランザクションをオフチェーンで実行し、有効性の証明をイーサリアムに提出するレイヤー2です。EVM等価を目指して設計されていたため、同じコントラクトやツールを変更なしで使え、ガス代にはPOLではなくETHを使っていました。
zkEVMメインネットベータがチェーンID 1101、ガス代トークンETHで公開。
Goerliベースのテストネット(チェーン1442)が廃止され、Sepolia上のCardona(チェーン2442)が後継に。
Polygon Labsが、12か月の移行期間を経て2026年にzkEVMメインネットベータを終了すると発表。
シーケンサー停止。新規ブロックはなく、履歴はエクスプローラーのアーカイブで閲覧可能。
なぜ終了したのでしょうか。Polygonの重点は、PoSチェーン上の決済、ステーブルコイン、現実資産(RWA)、そしてクロスチェーンの決済レイヤーであるAgglayerへと移りました。利用が伸び悩んでいた独立したZKロールアップを運営し続けることは、その方針に合わなくなったのです。zkEVMの技術はスタックの他の部分に引き継がれましたが、チェーン自体は幕を下ろしました。
現在使えるPolygon zkEVMブロックエクスプローラー
zkEVMが稼働していた頃は、いくつかのエクスプローラーから選べました。2026年9月に私たちが確認した状況は次のとおりです。
| エクスプローラー | 状況(2026年9月) | 主な用途 |
|---|---|---|
| zkEVM PolygonScan | 読み取り専用アーカイブ | 過去の取引・コントラクト検索 |
| OKLink zkEVM | 過去ページを保持 | 別視点の確認、ラベル |
| Blockscout zkEVM | 過去のインスタンス | オープンソース表示(稼働時) |
| 当サイトのツール | zkEVMタブ(RPC) | RPC応答中の簡易確認 |
zkEVM PolygonScan(アーカイブ)
zkEVM PolygonScanは、最も網羅的な記録です。PoS版と同じくEtherscanチームが開発したもので、トランザクション、アドレス、検証済みコントラクトのソースコード、トークン移動を保持しています。検索方法もこれまでどおりで、ハッシュ、アドレス、ブロック番号を貼り付けるだけです。新しいブロックは表示されず、最新データに依存するガストラッカーやチャートなどの機能は停止時点で止まっています。今後利用できなくなる可能性のあるアーカイブと考え、記録が必要なら今のうちに保存しておきましょう。
OKLinkとBlockscout
OKLinkはzkEVMメインネットとCardonaをインデックスしており、そのアドレスラベルは過去のトランザクションに登場するブリッジやプロトコルを特定するのに役立ちます。BlockscoutもzkEVMの稼働中はインスタンスを運営していました。どちらも別の視点からの確認に便利ですが、終了したチェーンのアーカイブは縮小していく傾向があるため、頼る前にページが生きているか確かめてください。OKLinkについてはその他のPolygonエクスプローラーのページで詳しく取り上げています。
当サイトのzkEVMタブ
当サイトのライブPolygonエクスプローラーにはzkEVMのネットワークタブがあります。基本的なRPCモードで動作し、公開zkEVM RPCエンドポイントが応答している限り、トランザクションのステータス、送信元、送信先、金額、手数料、ブロックを表示します。トークン移動や残高は表示しません。結果が返ってきたら、共有ボタンや印刷ボタンで持ち運べる記録を作れるので、アーカイブの状況が変わる前に会計用の記録を残すのに便利です。
過去のzkEVMトランザクションを調べるときのチェックポイント
2026年にzkEVMエクスプローラーを訪れる方の目的は、たいてい次の3つのいずれかです。過去のトランザクションが実際に行われた証明、税務や会計のための履歴、そしてチェーン上にまだ資金が残っているかの確認です。
- 本当にzkEVMだったか確認する。 zkEVMのハッシュやアドレスは、Polygon PoSやイーサリアムのものと見た目が同じです。zkEVM PolygonScanで見つからなければ、Polygon PoSエクスプローラーとEtherscanも試してください。
- トランザクションだけでなくアドレスも開く。 アドレスのページには、停止時点のETHとトークンの残高が表示されます。そこに残っているものが、請求手続きの対象になります。
- 必要なものを書き出す・印刷する。 PolygonScanでCSV履歴をダウンロードできる場合は保存し、個別のトランザクションはPDFで保存しておきます。
- ブリッジのトランザクションを探す。 停止前にブリッジで資金を移していれば、zkEVM上のブリッジ呼び出しと、それに対応するイーサリアム上の請求が見つかります。両者の対応づけ方はブリッジエクスプローラーのガイドで解説しています。
zkEVMのトランザクション画面とPoSとの違い
PoSチェーンでPolygonScanを使ったことがあれば、zkEVMのアーカイブも見慣れた画面に感じるはずです。ただし、いくつかの項目は意味が異なります。これを知っておくと、過去の記録を突き合わせるときに頭を悩ませずに済みます。
バッチと証明。 zkEVMのトランザクションは複数の段階を経ていました。シーケンサーがほぼ即座にL2ブロックに取り込み、複数のブロックをバッチにまとめ、そのバッチのデータをイーサリアムに投稿し、最後に有効性の証明を提出します。zkEVM PolygonScanにはバッチ番号と、それぞれが到達した段階(trusted、virtual、verifiedなどと表示されることが多い)が表示されます。トランザクションが本当に確定したと言えるのは、そのバッチがイーサリアム上で検証された時点です。
手数料はETH。 手数料の行はETHで表示されます。zkEVMのガス価格はイーサリアムメインネットと比べて一般に低めでしたが、POL建てのPoSのレシートとは数字が合いません。
ブリッジの入金と請求。 イーサリアムとzkEVMの間の送金はzkEVMブリッジを経由しており、このブリッジは後にAgglayerが使う統合ブリッジの一部になりました。ブリッジ送金は、チェーンごとに1件ずつ、合計2件の別々のトランザクションとして表示され、送金先では「請求(claim)」の手順が必要です。片方しか見当たらない場合、送金が請求されないままになっている可能性があります。
同じアドレスでも別のチェーン。 開発者が同じキーとノンスでデプロイしたため、zkEVM上のコントラクトアドレスが他のEVMチェーンのアドレスと一致することはよくあります。アドレスが同じだからといって、同じコントラクトや同じ資金を見ている証拠にはなりません。エクスプローラーがどのチェーンを表示しているか、必ず確認してください。
私たちの検証では、zkEVMの記録を照合する最速の方法は、まずzkEVM PolygonScanで開き、ブリッジが絡むものについてはEtherscanで対応するイーサリアム側のトランザクションを確認する、という手順でした。
zkEVM終了後の資金の請求
シーケンサー停止時にzkEVM上に資産があった方にとって、最も重要なのがこのセクションです。私たちはPolygon Labsとは無関係なので、ここはあくまで全体像の把握として読み、実際には公式の手順に従ってください。
ウォレットで直接保有していた資産(自分のアドレスにあるETHやトークン)は、Polygonが公開した強制出金・請求手続きの対象です。最新の手順、ツール、期限は公式のPolygon zkEVMページに掲載されています。簡単に言えば、チェーンの最終状態から自分の残高を証明し、イーサリアム上で請求する流れです。まずzkEVMエクスプローラーのアーカイブで、自分のアドレスに何が残っていたかを正確に確認しておきましょう。
DeFiプロトコルに預けていた資金(流動性プール、レンディングのポジション、ボールトなど)は、より難しくなります。これらの資産はあなたのアドレスではなくプロトコルのコントラクトに属しているため、ウォレット単位の請求では届かない場合があります。独自の終了手続きを行ったプロトコルもあれば、そうでないものもあります。DeFiに残った資金は自動では回収できない可能性があるので、各プロトコルの公式チャネルを確認してください。
請求が済むと、イーサリアム上でETHやトークンを保有する形になります。Polygon PoSに移したい場合、少額なら自分でブリッジするよりも、複数の法域でライセンスを持ちPolygonへの直接出金に対応した規制下の取引所を経由する方が簡単なことがよくあります。出金画面では必ずPolygon PoSのネットワークを選んでください。日本の利用者の方は、金融庁に登録された暗号資産交換業者かどうかも確認しておきましょう。また、請求した資産の取得価額や日付は税務上の記録として残しておくと後で役立ちます。
zkEVMテストネット:Goerli(1442)とCardona(2442)
Polygon zkEVMのテストネット用エクスプローラーは、2つの世代を経ています。
| テストネット | チェーンID | アンカー先 | 状況 |
|---|---|---|---|
| zkEVMテストネット | 1442 | Goerli | 廃止 |
| Cardona | 2442 | Sepolia | zkEVMとともに終了 |
初代のzkEVMテストネットはGoerli上で動いており、Goerliの廃止に伴って終了しました。Polygonの旧PoSテストネットであるMumbaiとよく似た経緯です。後継のCardonaはSepolia上で稼働し、PolygonScanとOKLinkに専用ページを持ち、終了まではzkEVM向けのデプロイをテストする場所でした。Cardonaのテストトークンには価値がないので、請求すべきものはありません。
現在Polygonでテストを行うなら、PoSのテストネットを使ってください。チェーンID 80002、フォーセット、コントラクト検証についてはAmoy テストネット エクスプローラーのガイドで解説しています。

Polygon Midenとそのテストネット用エクスプローラー
古い記事や検索結果では、今でも「Polygon Miden」という名前を見かけるかもしれません。Midenは、Polygon Labs内で育成されたSTARKベースのプライバシー重視型ロールアッププロジェクトでした。2025年に独立した会社としてスピンアウトし、現在はPolygonの製品群には含まれていません。
Midenは、このサイトで扱うEVMチェーンとは仕組みが異なります。独自の仮想マシンを使い、アカウントはクライアント側で状態を非公開に保つことができ、価値の移動も単純な残高の送金ではなく「ノート」を通じて行います。そのため、通常のPolygonエクスプローラーでは読み取れません。Polygon Midenのテストネット用エクスプローラーを探しているなら、プロジェクトの公式ドキュメントからリンクされているMiden独自のテストネットエクスプローラーを使ってください。私たちが扱うPolygonエコシステムの範囲外なので、ここではレビューしていません。
ZKエクスプローラーの利用者が代わりに使うべきもの
新しいアクティビティを見るためにZK系のPolygonエクスプローラーを探してここにたどり着いた方へ、率直にお伝えすると、Polygonの主戦場はすでに移っています。
- 決済、ステーブルコイン、DeFi: Polygon PoSです。まずはおすすめPolygonエクスプローラーのランキングとライブツールから始めてください。
- クロスチェーンのアクティビティ: AgglayerとPolygon Portalです。送金の追跡方法はブリッジのガイドで解説しています。
- コントラクトのテスト: Amoyテストネットです。
- ZK証明と研究: より広いPolygonの技術スタックで、docs.polygon.technologyにドキュメントがあります。
アーカイブの提供状況が変わったら、このページを更新します。zkEVM PolygonScanやOKLinkがzkEVMのページを削除した場合も、ここでお知らせします。