Polygon Mumbaiエクスプローラーにライブデータが表示されないのは、Mumbaiそのものがなくなったからです。Polygonは、イーサリアムのGoerliテストネットが停止したことを受けて、2024年4月13日にMumbaiテストネット(チェーンID 80001)を廃止しました。後継はチェーンID 80002のAmoyで、amoy.polygonscan.comや当サイトのライブPolygonエクスプローラーのAmoyタブで調べられます。
古いチュートリアルやmumbai.polygonscan.comのブックマーク、あるいは突然動かなくなった設定ファイルからこのページにたどり着いた方は、正しい場所に来ています。何が起きたのか、何がまだ見られるのか、そして丸一日を無駄にせずに移行する方法を順に説明します。
PolygonがMumbai PoSテストネットを廃止した日。以来、Amoyが公式のテストネットです。
Mumbaiテストネットとは何だったのか
Mumbaiは長年にわたり、Polygonの開発者があらゆるものをテストする場所でした。メインネットと同じPoSのスタックで動き、ガス代にはテスト用MATICを使い、メインネットのチェックポイントがイーサリアムに提出されるのと同じように、チェックポイントをイーサリアムのGoerliテストネットに提出していました。多くのチュートリアルが紹介していたPolygonテストネットのエクスプローラーはMumbai PolygonScanで、「Mumbai」は「Polygonでのテスト」とほぼ同じ意味の言葉になっていたほどです。
その運命を決めたのが、Goerliへの依存でした。PoSのテストネットには、チェックポイントを記録しブリッジのコントラクトを動かすための、稼働中のイーサリアムテストネットが土台として必要です。イーサリアムのコミュニティがGoerliを廃止してSepoliaとHoleskyに移行したことで、Mumbaiは存続できなくなりました。
PolygonがMumbaiを停止した理由
停止は計画的なもので、かなり前から告知されていました。Polygonは2023年末にSepoliaにアンカーしたAmoyを公開し、各チームに移行を呼びかけました。そして2024年4月にMumbaiを廃止しました。それ以降、ネットワークの保守は止まり、フォーセットは停止され、インフラ事業者もMumbaiのエンドポイントを取り下げました。
Goerliの廃止
Mumbaiのチェックポイントのアンカー先だったイーサリアムのGoerliテストネットが、コミュニティによって停止されました。
Amoyの公開
Sepolia上の新しいPoSテストネットが、チェーンID 80002で2023年末に稼働しました。
Mumbaiの廃止
2024年4月13日、Mumbaiは公式サポートを失い、エクスプローラーやRPCもそれに続きました。
実務的な事情もありました。Mumbaiには何年分もの状態データ、スパム、放置されたコントラクトが蓄積しており、フォーセットは枯渇してテスト用MATICの入手は難しくなり、「テストネットトークン」の闇市場まで生まれていました。新しいテストネットは、そうした問題もまとめて解決したのです。
Mumbaiエクスプローラーは今でも使える?
結論から言うと、重要な用途には使えません。2026年9月に私たちが確認した状況は次のとおりです。
| 場所 | Mumbaiの状況 |
|---|---|
| mumbai.polygonscan.com | ライブデータなし |
| OKLink Mumbai | 削除または凍結 |
| 公開Mumbai RPC | 主要事業者でオフライン |
| 当サイトのツール | Mumbaiタブなし(Amoyのみ) |
チェーンのデータそのものが、劇的な意味で「削除」されたわけではありません。しかし、ノードやインデクサーを動かし続けない限り、誰もそれを提供し続ける強い理由はなく、アーカイブされたエクスプローラーのページはいつ消えてもおかしくありません。検索結果にキャッシュされたMumbaiのページが残っていても、信頼できる情報源ではなく、珍しいものが残っている程度に考えてください。
重要なコントラクトについては、基本の心得がそのまま当てはまります。ソースコード、コンパイラ設定、デプロイスクリプトをバージョン管理しておくことです。それさえあれば、Amoyに数分で再デプロイでき、問い合わせてきた人には稼働中で検証済みのコントラクトを示せます。
テスト用MATICとMumbaiのフォーセットはどうなったか
Mumbaiのガス代トークンはテスト用MATICで、公式のPolygonフォーセットやインフラ事業者のフォーセットから配布されていました。ネットワークの廃止後、これらのフォーセットは停止されるか、Amoy向けに切り替えられました。ウォレットに残っているテスト用MATICは、もう動いていないチェーンに取り残されていますが、問題はありません。もともと価値のないものです。
フォーラムやチャットグループでは、今でも「Mumbai MATICを買います」「テストネットトークン販売」といった書き込みを見かけることがあります。相手にしないでください。テストトークンは本来無料で、Mumbaiのトークンは今や使い道もありません。こうした持ちかけは、初心者をだまして本物の暗号資産を送らせる典型的な手口です。Mumbaiの残高を「回収」すると申し出る人も同様です。
Mumbaiがウォレットや検索結果に今も表示される理由
停止から2年以上たった今も、Mumbaiはインターネットから完全には消えておらず、Polygonを始めたばかりの方を混乱させています。
ウォレットは古いネットワークを残す。 何年も前にMetaMaskへMumbaiを追加していれば、削除するまでネットワーク一覧に残り続けます。今それを選ぶと、背後のエンドポイントがなくなっているため、たいていRPCエラーが出るか読み込みが終わりません。ウォレットやチェーンリストの中には、今でもMumbaiを旧エントリとして載せているものがあります。
検索エンジンは古いページを残す。 2021〜2023年のチュートリアル、動画、フォーラムのスレッドは、今でも「Polygon テストネット」の検索で上位に出てきます。多くはテスト用MATICの残高が映ったMumbaiエクスプローラーの画面を載せています。コード自体はまだ役立つことが多いものの、ネットワークの情報は間違っています。
ライブラリは古い定数を残す。 古いバージョンのSDKやチェーンリストのパッケージの中には、今もMumbaiの設定をエクスポートしているものがあります。古い依存関係をバージョン固定していると、気づかないうちにそれを引き継いでいるかもしれません。最新版にアップグレードするか、自分の設定でAmoyを明示的に定義すれば、思わぬトラブルを防げます。
ウォレットに登録されたネットワークが本当にAmoyで、Mumbaiの名残ではないかを確かめるには、チェーンIDを見てください。80002でなければなりません。送ったばかりのテストトランザクションが実際に届いたかどうかは、当サイトのライブエクスプローラーのAmoyタブで手早く確認できます。
MumbaiとAmoyの主な違い
AmoyはMumbaiの複製ではありません。いくつか重要な変更が加えられた新しいテストネットです。
| 項目 | Mumbai(廃止) | Amoy(現行) |
|---|---|---|
| チェーンID | 80001 | 80002 |
| アンカー先 | Goerli | Sepolia |
| ガス代トークン | テスト用MATIC | テスト用POL |
| エクスプローラー | mumbai.polygonscan.com | amoy.polygonscan.com |
| 状況 | 2024年4月に廃止 | 稼働中 |
テスト用MATICからテスト用POLへの切り替えは、2024年9月にPOLがMATICに代わってガス代トークンとなったメインネットの動きを反映したものです。コードやUIに「MATIC」のシンボルを直接書き込んでいるなら、今が変更のタイミングです。MATICからPOLへの移行の経緯は、Polygon PoSエクスプローラーのページで詳しく解説しています。
Amoyはメインネットのアップグレードにも追従しています。PoSのファイナリティを約5秒に短縮したHeimdall v2ハードフォークや、2025年のスループット向上のアップグレードは、いずれもAmoyに先行して導入されました。そのため、Amoyでのテストは、Mumbaiで行っていたどんなテストよりもメインネットの挙動を正確に反映します。
移行チェックリスト:MumbaiからAmoyへ
私たちは自分たちのテスト用ツールを移行し、読者の移行もお手伝いしてきました。そのときに使っているチェックリストです。
- コードベースから80001を探す。 「mumbai」、「0x13881」(Mumbaiの16進数チェーンID)、古いRPCホストも探しましょう。
.envファイル、CIのシークレット、HardhatやFoundryの設定、フロントエンドの定数に潜んでいます。 - ネットワーク設定を置き換える。 チェーンID 80002、通貨POL、エクスプローラーURL
https://amoy.polygonscan.com/、そして動作するAmoyのRPCです。確認済みのエンドポイントと「MetaMaskに追加」ボタンはネットワーク設定のページにあります。 - Amoyのデプロイ用ウォレットに資金を入れる。 Polygonフォーセットからテスト用POLを受け取ります。Mumbaiのテスト用MATICは移せません。
- コントラクトを再デプロイする。 デプロイスクリプトをAmoyに向けて実行します。コントラクトアドレスは新しくなり、何も引き継がれません。
- ソースコードを再検証する。 チェーンID 80002でEtherscan API V2のキーを使い、Amoy PolygonScanでコントラクトが検証済みと表示されるようにします。
- あらゆる場所のアドレスを更新する。 フロントエンドの設定、サブグラフのマニフェスト、バックエンドのサービス、ドキュメント、READMEです。ドキュメントに古いMumbaiのアドレスが残っているのが、私たちが最もよく見かける更新漏れです。
- テスト用トークンとモックを再デプロイする。 アプリがMumbaiのテストトークンや第三者のテスト用コントラクトに依存していたなら、それがAmoyにあるか確認し、なければ自分でモックをデプロイします。
- ウォレットとチームのドキュメントを更新する。 混乱を避けるためにチームのウォレットからMumbaiを削除し、Amoyを追加します。
移行後は、以前のMumbai環境とまったく同じように動くと決めつけず、テストスイート全体をAmoyに対して実行してください。よく表面化するのは2点です。1つ目はガスの設定です。Mumbaiで低い優先手数料を直接書き込んでいたスクリプトは、Amoyで「transaction underpriced」エラーになることがあるので、手数料はツールに見積もらせましょう。2つ目はタイミングです。Amoyのファイナリティは現在のPoSのルールに従うため、「念のため」に数十ブロック待っていたテストは短縮できます。一方、リオーグを前提にしていたテストは見直しが必要かもしれません。移行完了のチェックを入れる前に、Amoyの新しいトランザクションハッシュをいくつかエクスプローラーに貼り付けて、基本(ステータス、ガス使用量、発行されたイベント)を確認しておきましょう。
フォーセットや検証コマンドを含むAmoyの詳しいワークフローは、Amoy テストネット エクスプローラーのガイドにまとめています。一次情報で確かめたい方は、Polygon公式の開発者向けドキュメントに現在のテストネットのパラメータが掲載されています。
今も「Mumbai」と書かれた古いチュートリアル
Polygonのチュートリアル、講座、Stack Overflowの回答の多くは2021年から2024年初めにかけて書かれたもので、Mumbaiを追加し、テスト用MATICを使い、mumbai.polygonscan.comを開くよう指示しています。Solidityやツールの部分はたいてい今も通用します。ネットワークの情報を次のように置き換えれば、ほとんどのチュートリアルはそのまま使えます。
- Mumbai → Amoy
- 80001 → 80002
- テスト用MATIC → テスト用POL
- mumbai.polygonscan.com → amoy.polygonscan.com
- Goerli(ブリッジのテスト用)→ Sepolia
polygon-rpc.comや古いMumbaiのエンドポイント → 現在の公開RPCまたはプロバイダーのRPC
もう一つ落とし穴があります。メインネット向けに古い公開エンドポイントpolygon-rpc.comを使っているチュートリアルもありますが、これは現在認証エラーを返すので、あわせて差し替えてください。
テストネットからメインネットへ
Amoyでコントラクトが期待どおりに動いたら、Polygon PoSメインネット(チェーンID 137)への移行はわずかな作業です。チェーンIDとRPCを変更し、デプロイ用ウォレットに本物のPOLを入れ、PolygonScanでデプロイと検証を行います。メインネットのガス代はほとんどのトランザクションで1セントにも満たない金額ですが、大きなコントラクトのデプロイにはそれなりにかかります。デプロイ用に本物のPOLが必要なら、複数の法域でライセンスを持つ規制下の取引所で購入し、イーサリアムではなくPolygon PoSネットワークへ直接出金してください。日本で購入する場合は、金融庁に登録された暗号資産交換業者を選ぶのが基本です。
公開後は、使いやすいメインネットのエクスプローラーが欲しくなるはずです。おすすめPolygonエクスプローラーのランキングでは、PolygonScan、Blockscout、OKLinkなどをデータの深さ、APIの使いやすさ、開発者向け機能で比較しているので、自分のワークフローに合うものを選んでください。